美術手帖掲載について

今月号の美術手帖の小冊子に自分のインタビュー記事が掲載されています
写真についてはあれこれ意見があると思いますがそこはおいて置いて、
テキストの件ですが正直に言って自分としては不満足な内容で
こういう形で美術手帖という雑誌に紹介されることを非常に残念に思っています
 
本来は今掲載されているものを自分が構成しなおした、これから下記にあるものが掲載される予定でした、
 
始めにいただいたテキストをコチラで構成しなおしたものを
美術手帳ライターの方の見落としというミスにより
このようなことになってしまったとの事です、
 
自分としては大阪の滞在制作期間中にgrafのスタッフの方と
結構な時間をかけてできるだけ内容、文字数共に気をつけたつもりだったので
掲載されたものを見てびっくりして考えた挙句、担当のライターの方とちゃんとお話して
上記のようなことが判明しました向こうもそのメールの見落としをショックを受けているようだったしひどく反省されているようでした
 
話した結果
「言い辛いかもしれないけどこの件はちゃんと周りの人(編集部の人たちなど)に報告すること」
「僕のほうでも本来は構成した上、こういう記事になる予定だったということをいきさつを説明した上で伝えてもよい」

ということで意見がまとまりました、
 
さすがに記事の訂正までは難しいようでしたが、
インタビューのときよりも冷静に自分の仕事についても話ができ、制作のスタンスもわかってもらえたと思うのでよかったです。
 
こんなことがあるんだなーと、不意をつかれた気分ですが以後気をつけたいところです。
 
  
****以下掲載予定だったテキスト****
赤字が訂正箇所 
 
Yusuke Asai [淺井裕介 b.1981]
 
描くことそれ自体を表現したい。
 
マスキング・テープを這わせ描く「マスキング・プラント」、土を使って描いた「泥絵」など、屋内と野外の差も、壁や天井や地面の差もなく、無限に成長し増殖し続けるような作品を、淺井裕介は描いてきた。彼は特定のアトリエを持たない。それは淺井の創作が、日常の全ての世界に向けられているからだろう。
 インタビューのため訪ねた部屋で、淺井は主に小さなドローイングを制作するという。「家でだけ描いていてもつながっていかない」と彼は語る。「どんな作品自体も終わりなく進んでいって、その中で人と人だったりとか、新しい発見だったりとか、そういうものを次につなげていきたいっていうのが第一にある」。
 
 彼ほど貪欲な制作意欲をもった画家はまれだ。多くの人が、普段の会話の最中にも紙に向かう姿を目撃してきた。一方で「つなげること」を強調する淺井は、描く行為が閉じられたものになることを嫌う。むしろ彼にとって「描くこと」は「描かれたもの」と切り離せない。「なにかを表現したいというより、描くことそれ自体を表現したい。だから今は作品が消えてしまうのも仕方がないことなんだと、そのほうが行為自体の力がより浮かんでくるんじゃないかと思っています」。
 graf media gm(大阪)で2月21日から開催されている淺井の個展では、約10日間をかけてメイン会場を仕上げた。その後、5階建てのgrafのビルのあちこちにも、彼の痕跡が残されていく。「描くという行為」の根源的な力強さを持った淺井の絵は、きっとこれからも、見る者を魅了し続けるだろう。
  
 
 
*****
 
 
 
以下要点まとめ
 
 自分は家でも外でも変わりなく絵を描いているつもりです、アトリエもどこでもアトリエになりうると思っているし、必要とも不必要とも思っていません。
日常という日々の連続の中、昨日があって明日につながっていくという特別じゃないもののなかで絵を描き続けたいと思っているのだと思います、そのために繋がりと言うものは必然的に結果として(日常に終わりはないので)出てくるだけのことで、
はじめから繋がりを求めて作っているわけではないのだと思います、
また現地で製作することも、まずその場所があり僕がその場所感じるためには人前で描くことも(それが自然であれば)必要だと思うし、そうやって描かれたその場所で鑑賞者がその同じ所に立って見ることに力が起こるんじゃないかと思う、と言いたかったのだと思います。
そのあたりのニュアンスが自分の説明不足もあり大きく変わってしまったこと、を構成の際、直させてもらったつもりでした。
  
 
多くの人にとっては些細なたいした違いの無いことでしょうが
自分にとってはとても大きな食い違いで
これまでも小さいレベルではあったけれど今回のは掲載誌がアート雑誌としてはメジャーなだけに
この場を借りて訂正しておきます。
 
 
淺井裕介
 
 
※しばらく(たぶん次号美術手帖が出るまで)はこの記事がトップに来るようになります、
前の日のところを押してもらえると今後更新された日記が読めます。