脚立の上の景色

今日も横浜美術館で描きます。
今週は結構行こうかなと、比較的自由で澄んでいる気持ち。
だいたい2時くらいから閉館までは作業を見守ることができます。
宜しければ見守って、見てください。


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毎日脚立にのぼり、木の絵を描いていると
体のいろんな部分の筋肉を意識する、脚立の上などで片足を梯子に引っ掛けて斜めにぐーんと体を伸ばしたりなんかして絵を描いている時間は明らかにいつもとは違う感じがする、
地に足が着いていない感覚、しかし、ぐぐぐ、っと何処かに急激に根が降りていく、瞬間、ヘッドホンで音楽を聴いている(制作に集中する為)はずの音がふっと飛ぶような感覚、耳には何も入っておらず、目から入ってくる情報も、本当にごくわずかなものになる、それは一瞬の出来事。
たぶんオソラクと何か(筋肉)が動いているなと感じているまに線が引かれて、新しい形が伸びていく。伸びている。

もっとバネの運動のように続けばいいけど息が上がる、足がガクッとする。
ペンを壁から離して手を回転し、ふーっと深呼吸をして、
筋肉をほぐす、 息が整ったら
さっきまで感じていた時間の流れを手繰り寄せるように、
再び繰り返しの中に入っていく。 何も考えない


ちくちく、刺繍を縫いこんでいくように、
ちくちく、壁に絵を縫い付けて いく
よいしょ、よいしょ、と一段ずつ階段を上がっていくように、
目の前にある道を歩いていく、


呼吸と体、糸を縫いこむ空気、土を塗りたくる空気、
吸って吐いて、
踊りを踊るように絵を描く。


視界のはじっこを猫がヨコギルように、カクレンボする植物達。