勝手にオカズ便り 転記 オカズ君と布

  
 
    
 
 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡
インドの片隅の、小さな学校で開催されるウォールアートフェスティバル(WAF)。
第4回は2013年、2月16・17・18日に開催。
さて、インドではどんなことが起きているのか?
インドに暮らし、芸術祭をオーガナイズしている現地コーディネーターのokazuが現地の空気を伝えます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡
 
インドの手仕事との出会いからもらったもの
 
僕は、未だにブッダガヤから動けていない。
ビザの関門は突破できたのだが、大学での手続きに時間をとられている。
「ここまでかかるか…」というのが正直な感想だが、これもインドにいるためなので仕方がない。
 
少々時間をもてあまし気味なこともあり、今までにWAFに関心を示してくれたインド人のメール用リストを作ってみた。
これまでの3年間、WAFを広めるため、そしてフェス開催の可能性を探るためにインド各地を巡った。
WAFの冊子や映像を見せながらインド人にプレゼンした回数は数え切れない。
色々なタイプの人たちと出会ったけれど、面白かったのは手仕事を生業としている人々との出会いだ。
 
例えば、一般にカディコットンと言われる、手紡ぎ・手織りの綿布を生産しているNGO
村人はNGOから糸紡ぎ・機織りのトレーニングを受け、生産者となる。
NGOが生産物を取り扱い、売り上げが村人の収入となる。
このNGOはマハトマ・ガンディの思想を受け継ぐ団体であり、その尊い思想ごと村人に伝授している。
心意気がなければ、地道な手仕事は成功しないという。
 
生産者の家にお邪魔した時に聞いた言葉が印象的だった。
「電気で機械を動かしていた時は、いつ送電されるかわからない電気に左右されて、まともな生活リズムがとれなかった。
けど、手紡ぎ・手織りを始めてからは自由な裁量で働けるからこっちの方がいいね」
 
このNGOの代表者は「経済的に貧しい地域に必要なのは寄付ではなくて、職を提供することだ。持続的な仕組みを作ることで徐々に生活レベルを向上させるしかない」と言う。
アートを通じて、子どもたちと取り組み、種を蒔く活動としてWAFの姿勢にも賛同してくれている。
「いかに資金を調達しながら活動を持続させるか」という点を議論できたのはとてもよい経験だった。
インド各地でプロジェクト展開を進めているこのNGOは、農村事情にも詳しい。
スジャータ村やワルリの里周辺が抱えるような貧困と教育の問題は、国内の至る所にあるのだということをまざまざと教えられた。
 
カディコットンは風通しがよく、洗えば洗うほどに柔らかさを増し、旅にも最適。紛れもない「いいもの」だ。
ただし、生産には多大なる労力が必要とされ、かつ、市場では安価な工場製品が好まれるためにそこまでの販路を獲得できていない。
そこで、このカディコットンを応援したいという思いで、ウォールアートプロジェクトとしてまとまった数を仕入れ、日本に紹介している。
その売り上げはWAFの運営費に回させてもらっている。
 
こうした「いいもの」を作る手仕事との出会いは、他の地域でもあった。
カッチという砂漠地方の職人、レーの高山に住むパシュミナの織り手…どの人たちも尊敬に値する作り手で、その技術を貧しい人々のために生かすことを考えていた。
そして、地域の現状を細部にわたり教えてくれた。
その土地土地で言葉は違うが、ヒンディー語という公用語を介して話せるため、こちらが知りたいことは何でも尋ねられるのだ。
僕のインドに対する見識は、そういう手仕事を通じて一層深まっていったといえる。
それと同時に、僕はどんどんインドのさまざまな布が好きになっている。
 
okazu
 
 
 
WAFに関するお問い合わせはこちらまで→ info@wafes.net
 
期日:2013年2月16日(土)―18日(月)
会場:インド・マハラーシュトラ州・ダハヌ・ガンジャード村・ジーワンシクサンスクール
入場料:無料
主催 NPO法人 ウォールアートプロジェクト
共催 国際交流基金
助成 公益財団法人ポーラ美術振興財団 公益信託今井記念海外協力基金 公益財団法人東芝国際交流財団
協賛 貝印株式会社 i:ba cafe Blue Bear Inc. niwa-coya
 
WAF公式ウェブサイト http://wafes.net/
 
公式ブログ “インドの子どもたちの今を知る” http://blog.livedoor.jp/wall_art/
 
WAFオフィシャルグッズ(本、DVD、バッジなど)はこちら http://www.blue-bear.co.jp/shop/index2_3.html#book
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
ウォールアートプロジェクトでは、引き続き応援団加入者を募集中です。
応援団からのご寄付は、芸術祭のクォリティを維持するためのアーティストフィーとして使わせていただきます。
応援団の存在を周囲の方々に広めていただけましたら幸いです。
http://wafes.net/supporters.html
☆☆☆☆☆☆彡 ☆☆☆☆☆☆彡 ☆☆☆☆☆☆彡