人間のパワー


19日、そごう美術館の 現代北欧素朴派展をみて(絵画教室みたいな、みんな何か既にあるイメージの枠の中で絵を描いている感じ)
関内の市庁舎のホール、評判いいです、まだあと2段階に変化します


横浜の市庁舎の仕事を終えて、黄金町の古巣BankART桜荘泊、
桜荘には現在のびアニキが展示、レジデンス、公開生活を行っていて
のびアニキ不在時に進入、ちかいちゃんと一郎さんと3人でのび太 服に勝手に着替えて
アニキの帰りを待つ、その後アニキも加わり、博多から来ている友人も加わり5人のび太
ここまで開き直ると外からの視線も気にならなくなる、
ガラス張りのこのアトリエ、時々ヤンキーが車を止めてみていく、話しかけてくるものもいる
昔に比べ若者が増えたな、


翌日、黄金町バザールBankART Life2の展示の一部を見る、
しかし黄金町のここ1,2年の変化はすごい、
売春宿がいっせい撤去され、道が整備されて、新しい桜を植樹、
もと売春宿を改装しBanKART桜荘開始、コガネックス開始、
そして今度は高架下に大きなスタジオが2つもできた、
それに伴い小さくてかわいい、お洒落な内装の若者の店も少しづつ増えてきているようだ
まだ一応警備の警官(実は機動隊という噂)も24時間たってはいるけど
昼間危険な匂いはまずしなくなった、


バザールはその名の示すとおり、地域のお祭りといった感じ、
なにかしら買い物が出来る作品も多くて、子供家族連れも楽しんでいた、
そんななか、ハードに(?)現代美術を貫く作家もいる、そのコントラストが面白い


北川貴好さん、家に穴あけまくり、ベット多すぎで気持ちが悪いが、やりすぎ万歳で気持ちがいい
北川さんにはこんなサイズには収まらないものがまだまだあるのだ、
他は、平野薫、田中千智、BizArt、鈴木悠子あたりの作品がよかった、
無料だし、だいぶ綺麗になったとはいえ一本路地裏にはいればまだ昔の黄金町の香りがほんの少し残っている場所もあるので
今後どんどん変貌していく前に今のうちに黄金町を歩いておくのもいいかもしれない。
案内所には何げなく、展覧会のディレクターや作家もいたりして気楽に話せるものいいところ。
でも食事できるところはちょっと割高だし、チラシで見るよりも作家数が少ない感じがした。
メインになるような大きな仕掛け、作品が見れなかったせいも在るのだろうか。


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夜、BankART企画の友部正人さんによる大岡川 川くだりライブ
横浜みなとみらいの夜景を背にして川の上、船のうえで友部さんが本当にまっすぐで大きな声で歌うのを聞いていて、涙が出た。
かっこよかったです、次は10月8日に、代官山「晴れたら空に豆まいて」にて双葉双一さんとのライブにて、いつものように舞台美術を施し、今回は自分もステージ上で絵を描こうかなと考えています、
自分の尊敬する2人の詩人でありミュージシャンとの競演、ここ一番の大舞台、是非来て下さい。
DM作りました→http://d.hatena.ne.jp/asaiyusuke/00000000


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ここまでながなが日記を書いて、実は今日はここからが本題 (ゆっくり読んでね)


今回3回目の横浜トリエンナーレ開催の裏では、BankART、黄金町、ZAIM、本庁ビルシゴカイ、芸大映像学科、野毛界隈(飲食)など、様々なところで横浜トリエンナーレ関連イベントが行われていて、一部ではどっちが表か分からなくなるなんて話も少し聞くけど、
そんな中あまり話題にならないし、その意味では何処からも見放された形ではあるが、
本当の裏に当たるスポットでもひっそりと動き出し始めています、


日本3大ドヤ街のあるその名も寿町
こちらも年々治安が良くなってるとはいえ、町を無目的に徘徊するおっさん達、地べたにごろごろしている上半身裸のおっさんや、
競輪、競艇、競馬の予想を熱心にする一団、大量の粗大ごみ、家庭ごみの山、自転車の数々、
まだまだなにか黒いものが息づいているといった感じ、


そのど真ん中、日雇いの人たちが集まり、寝泊りしている職業安定所のなかで
何かが始まっています、
実際 鹿児島から来ていた浦田琴絵によりとてもいい作品が一つ出来上がっていました、
昨日も遠藤一郎により「未来カフェ」なるものが行われていて、お茶を配ったり、廃材を運んできてテーブルを作ったりしました、
自分も鳥を2羽制作して貼り付けてきました、
わずかな滞在でしたが、琴ちゃんの作品をきっかけとしてか知らないが、
そこでは地元住民と、外から来た若者達とのコミュニケーションの絆が生まれ始めているもを感じました、


詳しくはコチラの琴ちゃんの日記を読んでみてください、
特にいま更新中の9月4日〜18日(寿町編)
http://d.hatena.ne.jp/newroman/
本当の意味の滞在制作とはなんだろうと思います、


**以下一部抜粋**


小さなドアから覗く狭い部屋と敷きっぱなしの布団。
低い天井、狭い廊下、つんと鼻につくおしっこの匂い。おっさん達。
横浜のスラム街「寿町」で一番古いというどやを訪れた印象は「懐かしい」であった。
慣れない状況に内心どきどきもしているんだけど、私の体か脳のどこかにはすんなり入ってきた風景。


横浜の石川町から歩いて5分、日雇い労働者の街、寿町。


この街で、じわじわとアートプロジェクトがスタートしつつあるのだ。実行委員である河本さんに連れられて、街を歩く。河本さんもこの街の魅力にとりつかれた人。この街には魅力がある。写真を撮ってはいけないというので、これ幸い。街が魅力的すぎて、どこを撮っていいか分からない。デジカメの中ではなく、この感じを自分の体に保存しておきたい。


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で、中華街を歩いた後、寿町へ。おとといも昨日も男性と一緒に歩いていたのだが、今日は一人。

とりあえず労働福祉会館の階段に座って人間観察・・のつもりが、多分、確実にこちらが観察されている模様。やっぱりおっさんの目が恐いなあ。でもしょうがない。こちらだって、逃げるわけにはいかない。ここでいい作品を作らないと明日は無いのだから。でもアル中のおっさんに犯されるのだけはいやだ。


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昼過ぎ、ホームセンターでつなぎ(赤!かわいい!)を買って着替え、スケッチ用のペンとクロッキー帳を買って、いざ寿町へ。

つなぎの狙いはずばり安全対策!

・同じ服でまちをうろうろしてれば、覚えてもらえる。覚えられたほうが安全。

・「このあたりで何かの作業をしている人」に見える

・私服だと、迷い込んだ観光客みたいだからよくない

・赤い色の作品を作るので作品と作者が一目瞭然

・どうせ目立つんだから、わかりやすく目立ったほうがいい。

どきどきしながら福祉会館の敷地内で、スケッチブックをひろげて、地面に寝てる人からスケッチ。10年前の受験勉強を思い出しながらがんばってかいてみる。どう隠れても目立つのだからと開き直って、絵描きさんみたいに堂々と。場所を移動しながら、何人も描く。



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琴ちゃんがんばったね、いい作品をありがとう、
寿町にも、桜島にも
また遊びに行くよ。