なぜか今頃、見直している その1
アラタニウラノで行った3人展、
サイズとしてはそれほど大きくないけれど
この時期(昨年末)、少し体調を崩していて描いていた時間のことをあまり覚えていない
すごく少ない記憶
時間、空間ともに、ねっとりとして、不思議なお化けみたいな気持ちになって
描いていたような、壁の内側に入り込むように、こんにゃくみたいなプルプルした壁の感触を手に感じたりしていた
泥絵にしては珍しく、鉛筆、わら半紙、剥したマスキングテープなども多用している
いつもながら描いているのはとても楽しいのだけど、
なにか変な気持ちがしていた、どっかでそれが一瞬吹き出てた部分が最後までのこっている
それは灰汁のようなもので、たぶん取り除く種類のものだったのだけど、初めての料理ではまだそれは分からない。
最後の方の夜、一郎さんが遊びに来て、明け方5時か6時ごろ築地にラーメンを食べに行った
泥絵が完成して、20日に行ったライブには、確か60名もの人が集まってくれて、その後のパーティーも
浦野さん特製の豚汁などが振舞われたりして嬉しかったが、自分は連日の徹夜作業の末、
夢の中にいるような気持ちでそれらを眺めたり、空っぽの頭で人と話したりして。
そして本格的に体調を崩した。
今写真で見ると、いろいろ恥ずかしいような作品ですが、
10ヶ月前の自分にとってはとても正直に描いたのだと思うし、気に入っている部分もたくさんある、
また見てみたい気持ち、60点。
絵の中で飲んだりご飯を食べたい気持ち、70点
もう一度描き足していきたい気持ち、100点
当初、前半の展示ではインスタレーションは無しの予定だったが
急遽、持ち合わせの道具、鉛筆、糊、わら半紙、カッターなどを使い壁に今後描く泥絵の下絵のような
絵を描いた、そのとき、まだその線が後半に繋がるものになるという確信は無かった。
「Multiple Worlds」2008-2009年
ARATANIURANOでの展示風景
泥絵・Multiple Worlds
近隣で取れた土2種、陶芸土4種、紙、鉛筆、ビニール、ドローイング、マスキングテープ
撮影:木奥惠三
Courtesy of the artist and ARATANIURANO