インド、オカズからのメール

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インドの片隅の、小さな学校で開催されるウォールアートフェスティバル(WAF)。
第4回は2013年、2月16・17・18日に開催。
さて、インドではどんなことが起きているのか?
インドに暮らし、芸術祭をオーガナイズしている現地コーディネーターのokazuが現地の空気を伝えます。
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間もなく、ワルリの里ガンジャード村を離れブッダガヤに戻る。
フェスが終わってからかれこれ一月半ほど、僕はブッダガヤから離れていた。
 
WAF2013はもともと、ここガンジャード村とスジャータ村の二か所で開催するつもりで計画を進めていた。
しかし、WAF2012終了後、軌道修正し、ガンジャード村での開催に力を注ぐことにした。
改めてガンジャード村を訪ね、ひとつところに力を注ぐのが僕たちのやり方だったと気付いたことが大きい。
そして、何よりも、3年間フェスを開催したことでスジャータ村やその近辺の人々に伝えられることは伝えきった、という実感があること。
ウォールアートプロジェクトとして伝えたかったことは、アートの力(例えば、人に感動や驚き、新しい発見や異なる視点をもたらしたり、さまざまな違いを乗り越えて人同士を結び付けるものだったり)や、ニランジャナスクールの『白い壁』の一つの使い方。
淺井さん、一郎さん、スリージャタさん、N.S.ハルシャさん、ラジ・クマル・パスワンさん、A.バラさん、ラジェーシュさんたちアーティストが各々のやり方で子どもたちのことを思い、作品を残してくれたことで伝わったことも多々あるはずだ。
いうなれば、種蒔きは終えた。
あとはそれが芽吹くかどうかを辛抱強く待つ時が来た、と思っているのだ。
 
日本のSさんに言われた一つの金言がある。
「継続するために継続したのでは面白くならないし、いいものにならない」
もともと、プロジェクトとしては、ハンドオーバーを視野に入れて現地の人たちが毎年開催していくことで力をつけていってもらおうと思っていた。
そのための仕掛けも色々と用意してきた。
今年の進歩だと思えたことは、リーダーシップを取ろうとする者がいたことだ。
事前の準備を含め、仕事内容を明確にして、仕事を分け、受け持っていくという動きが見られた。
昨年以上に献身的にアーティストの制作を支えたメンバーもいた。
もちろん、至らぬ部分はあったが、そこにはフェスに対する思い入れが感じられた。
その一方で、何人かの、子どもたちや地域のためというより自分のため、具体的には自分たちに入るお金につなげようという行動が目立った。
彼らも自分たちの人生を組み立てる時期なのだから、そう考えるのは仕方がないのかもしれない。
しかし、そういう行動が今後フェスをよい方向へ導くとは思えない。
こういう問題があったとしても、修正しながら継続するという道もあることは確かだ。
しかし、関わっていくメンバーの人間性はどうこうできるものではない。
ゆえに、このまま継続するよりもここで一度寝かせるのが良いだろうという判断をした。
 
また、ニランジャナスクールを支援する団体はいくつかあり、子どもたちも結構忙しい。
なので、ウォールアートプロジェクトは一旦そこから離れようという意図もある。
 
しかし、ニランジャナスクールでのフェスの流れを断ち切ってしまう、というわけではない。
このフェスを経験した子どもたちに期待を残してみようと考えている。
彼らには、ガンジャード村のワルリの人々と開くフェスの情報を供給していく。
インド北東部と西部。同じ国にありながら、かなり違う文化背景を持つ地域でのフェスが彼らにとって刺激となれば…「自分たちはこうできる」というアイディアを考えたり、「自分たちのフェスのいいところ」を探したり…そういうことにつながりはしないだろうか。
そして数年後、彼らがフェスをやりたいという気持ちになった時には、協力を惜しまないつもりだ。
 
さて、僕がブッダガヤに戻ってやろうとしていることは、みんなと正面切って、腹を割って話すことだ。
僕不在で経った一月半。フェス終了直後、このくらいの期間をはさみ、みんなにとってフェスがどうだったのかを聞きたいと思った。
インタビューをするわけではなくて、あくまで会話の流れ上で聞くつもりだ。
ドミトリーの子たちや、ドライバーさん、通りすがりの村人など、さまざまな人に聞いてみたい。
 
もちろん、批判や疑問もあるだろう。
それを面と向かって受け止め、応えるのが僕の現地コーディネーターとしての責任だ。
一月半でその覚悟は固めたつもりだけれど、みんなを前にした時を思うと胸がドキドキするのは抑えられない。
しかし、ここを避けていては前へと進めないのだ。
 
okazu
 
 
 
WAFに関するお問い合わせはこちらまで→ info@wafes.net
 
期日:2013年2月16日(土)―18日(月)
会場:インド・マハラーシュトラ州・ダハヌ・ガンジャード村・ジーワンシクサンスクール
入場料:無料
主催 NPO法人 ウォールアートプロジェクト
共催 国際交流基金
助成 公益財団法人ポーラ美術振興財団 公益信託今井記念海外協力基金 公益財団法人東芝国際交流財団
協賛 i:ba cafe  Blue Bear Inc.
 
WAF公式ウェブサイト http://wafes.net/
 
公式ブログ “インドの子どもたちの今を知る” http://blog.livedoor.jp/wall_art/
 
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