日記


先週の金曜
自分の制作の前に
久しぶりに銀座のギャラリーを2、3時間ほど巡ってみた、
ころころころと、ころころしながら目当てのところがあるわけでもなく歩く
知っているギャラリーの知っている作家だけじゃなく、
知らない画廊の知らない作家の展示を見て回る、
少し古臭い名前の、少し古臭い画廊で、少し古臭いけどいい絵と向かい合う
誠実に謙虚に、でも自分を描いてある、
こうでなくちゃと思う
 
歩いていると思いがけず知り合いに出くわすこと3回、
みんな好きだなーと思う
いつの間にか、美術という共通の輪の中で
当たり前のように会うわけだけど、
それぞれ始めはどんな風にしてこの輪の中に入ってきたのだろう
これから先、またどんなわっかの中に入っていくんだろう、
どうせまた会うさ、って感じで分かれてからふと、早足に去っていく知り合いを見ながら思う
 
夕方、銀座一丁目の近くにある、銀座湯で100円の日(この銭湯は第2、第4金曜日が100円になる)だったので風呂に入る、
また知らない人々がそこにはいて、自分が体を洗い、風呂に入るまでずっと
90歳近くのおじいさんがぷかぷかと気持ちよさそうに浴槽に浮かんでいた、
おじいさんは2日にいっぺん来るのだといって、いろんな人と親しげに
会話というほどのことでもなく、いろんな人に挨拶をされては(浮かんだまま)返事をしていた
 
銭湯の2階の窓からは隣の公園が見えて、
ベンチでタバコをすったり、パンを食べたりしているサラリーマンたちのすぐ横で、
派手な格好をした人たちがたぶん演劇の練習をしていた

自分はどうもこの日はころころした気分で、
ギャラリーに帰り、ころころ制作を続けた。
  
帰り中央線の中刷り広告、サラリーマン金太郎
本宮ひろ志の絵がいつの間にかすごいことになっていて
気になって仕方がない。本を読んでいてもちらちら目を奪われ
しばらくして目以外がやけにリアルなんだと気づく。
 
今日、別の車両で、別の雑誌の広告でまた本宮ひろ志の漫画の絵が飛び込んできた
金太郎ほどではないがこの絵もなかなかすごい
と、どうでもいいことで日記を締めくくる。