貝殻のひとかけら、こんぶの根、海の扉


驚くような、喜びが
くるくるへその緒を通じてまわるまわる、
聞こえない音
見えない光が
それぞれの角度から揺さぶりをかけて
ひとつの音楽になって
 
僕はそれを手のひらから聞く
ての
ひら
 
聞きながらそれを空間ごと掴んでみれば
その弾力にいまでも触れていたいと思う
 
山の上の知らない清水に宿る魅力的な狂気に
ぽちゃんと誰か、飛び込んだ
 
カエルか
鹿か
蜘蛛か
羊か
ナメクジか
木の実か何か
 
分からないけど、
 
 
***
 
いいものをみれた
 
草の戸も住みかわるよぞヒナの家